衛星開発プロジェクト

衛星開発プロジェクトとは?

数kg級の超小型衛星を学生が開発し,打ち上げて運用しています.また,小学生から一般の方々まで,国内海外様々な方々に対して自分たちの活動を紹介したり,衛星開発のモノづくり教室を開くなどのアウトリーチ活動をしています.

これまでに3機の超小型衛星を開発しました.1機目のSEEDSは2006年にロシアのDneprロケットで打ち上げられ,残念ながらロケットのエンジントラブルで失敗.2008年にはSEEDS-IIがインドのPSLVロケットで,2014年にはSPROUTがH-IIAロケットでの打ち上げに成功し運用をしています.また,次期衛星である地震先行現象検知検証衛星Preludeを東京学芸大学,東海大学,LATMOSの方々と共同開発しています.

また,大学宇宙工学コンソーシアム(UNISEC)の加盟団体として,衛星開発に関する他大学との連携,情報交換も行っています.日本では多くの大学が超小型衛星を開発し,打ち上げていますが,実は長期の運用に成功している大学はそれほど多くはありません.これからも,ユニークな衛星の開発・運用で,世界にアピールしたいと思います.

最近では,超小型衛星を題材とした宇宙工学教育プログラム(教育モデル・教材)の開発と世界展開も行っています.トレーニングは,4日から1週間で実施可能なカリキュラムで構成されており,教材(超小型衛星キット,自習用教科書)と,インストラクタ・受講生が教室内でコミュニケーションを繰り返すことにより,「システム設計・開発論の修得」と「暗黙知の抽出と形式知化による教材・教育のスパイラルアップ」が可能な教育モデルとなっています.また,教材の開発に終わることなく,「国際的に持続可能な教育プログラムの構築を行っている点が特徴」であり,世界各地にローカルチャプタ(インストラクタ・ファシリテータで構成)を配置し,国際的に持続可能な形を構築にも取り組んでいます.

活動例

1年生 まず,大学院生を含む上級生が,新入生に対して衛星工学の基礎を教えます.特に,電子基板の作り方やCADによる設計図面の描き方,マイコンによるプログラミングやセンサデータの取得など,衛星開発に直結する内容を体験します.

①模擬人工衛星CanSatの製作・打ち上げ実験

②研究室で開発したトレーニング用模擬人工衛星HEPTA-Sat

③衛星設計コンテスト出場に向けた勉強会

④超小型衛星Prelude等の開発への参加

2年生 1年次に引き続き,勉強会や衛星開発,CanSat製作・打ち上げ,アウトリーチ活動等
3年生 衛星設計コンテストへの出場や,アメリカ・ネバダ州でのCanSatの打ち上げ実験イベントARLISSへの参加,衛星開発,学外プロジェクトへの参加等
その他,国際連携活動など 最近は,HEPTA-Satを使ったトレーニングが発展途上国の方々から人気です.英語の勉強にもなるので,是非,講師として参加してみませんか?

超小型衛星開発:地震先行現象検知実証衛星Prelude

短期・直前地震予測の実現は,100年以上研究が進められていますが,未だ実用の見通しがありません.一方,近年地震先行電離圏変動の存在が統計的に有意であることが分かっています.本プロジェクトでは,人工衛星の全球観測でグローバルの地震予測を目指す超小型人工衛星「Prelude」を開発しています.数年後には,衛星群による常時全球をカバーした確率的地震発生予報を地上観測と協同し実現を目指すことを狙っています.

超小型衛星ハンズオントレーニングHEPTA-Sat

超小型衛星の開発プロセスを短期に経験し,宇宙工学の基礎知識を獲得することを目指した地上利用用の教育ツールHEPTA-Satの研究開発・社会実装を行っています.

宇宙工学の基礎知識を獲得することはもちろん,衛星の組立,統合,試験を通じて,何かの機能を果たすためのシステムをつくる際に,どういう道筋でその機能を実現すればよいかを体得することを目的とした教育ツールです.講義やテキストに従いサブシステム(電源系,コマンド・データ処理系,通信・地上局系,センサ系)のハードウェア,ソフトウェアの統合・試験をしていきながら各サブシステムの役割・振る舞い・モノコトの「分解」・「統合」・「試験方法」を理解していきます.

衛星開発プロジェクトの新入生向けの教育プログラムにも取り入れており,体系的かつ実践的に学ぶことができますし,国内外の機関・企業,大学,高校・高専,科学館に向けた社会実装実験にも取り組んでいます.2017年4月~2019年3月にかけては,国内外の産学官関係者(宇宙関係機関・企業,大学)の方,37か国,232名の方に対して実施しました.